九州/ 熊本県

人吉 ひとよし

「相良700年が生んだ保守と進取の文化〜日本でもっとも豊かな隠れ里−人吉球磨〜」

浄瑠璃「伊賀越道中双六」に逃避先としてうたわれている人吉は、九州山地の山々に囲まれ、市内の中心部を日本三急流の一つ「球磨川」が東西に貫流しており、水と緑、そして市内約80ヶ所に源泉をもつ、自然資源に恵まれた、情緒豊かな街です。又、相良家の城下町としても栄えたこの地方は、「相良文化」と呼ばれる独特の文化を持ち鎌倉時代からの神社仏閣、仏像等が数多く残っており、中世仏教芸術の宝庫として全国的にも注目を集めています。そして、その文化財や古い遺構・風俗などが、脈々と現在も息づいていることから、2015年4月に文化庁認定の「日本遺産」地区に指定されました。

人吉の見どころ

国宝 青井阿蘇神社

今から約1200年前の大同元年(806年)創建の人吉球磨を代表する神社。熊本県にある阿蘇の広大な原野を開拓し、その守り神として阿蘇山のふもとに鎮まる阿蘇神社の御祭神十二神のうち、三神の御分霊が、祀られています。御祭神の名は、初代の天皇である神武天皇の孫にあたられる健磐龍命(たけいわたつのみこと)、その妃の阿蘇津媛命(あそつひめのみこと)、二人の子供の國造速甕玉命(くにのみやつこはやみかたまのみこと)の三柱の神々。建築様式は豪華壮大な特徴の桃山様式で、本殿、廊、幣殿、拝殿、楼門の五棟社殿群が平成20年6月に国宝指定されました。茅葺の社寺建築としては全国で始めての国宝となります。

交通 人吉ICから車で6分

人吉城跡

人吉城は、明治維新まで人吉球磨地方一帯を統治していた相良家の居城で、別名、繊月城。城の北側は球磨川、西側は胸川、東、南側は険しい山々に囲まれた難攻不落の自然の要塞でしたが、1862年に城下町の大半を焼き尽くした“寅助火事”により焼失してしまい、現在は石垣のみが残されています。また、人吉城では、日本に数ヶ所しか見られない珍しい建築様式である、はね出し(武者返し)を見ることができます。春には桜、秋には紅葉の名所としても知られています。平成17年には城跡近くに人吉城歴史館が開館、平成18年には日本百名城に選ばれています。

交通 人吉ICから車で7分

球磨川くだり

日本三急流のひとつ、球磨川を木船で下る球磨川くだり。
江戸時代、相良氏が参勤交代で使っていたと言われ、流れゆく美しい風景とともに、優雅な殿様気分も満喫できます。12月から2月は、冬ならではの風情が楽しめるこたつ船も運行。(要予約)

交通 人吉ICから車で5分

道の駅人吉/人吉クラフトパーク石野公園

人吉球磨に伝わる伝統工芸を見て、体験できる施設。園内には民工芸館・陶芸館・鍛冶館・導遊館・木工館の工芸体験館があり、きじ馬の絵付けや陶芸をはじめ、鍛冶製作、ガラス工芸や、銀の指輪作りなどを体験できます。また、売店では地元特産品を展示販売。そのほかにも園内にはキャンプ場やさまざまな遊具がある広場があり、子どもから大人まで楽しめます。毎年2月~3月は、ひなまつりなどイベントも開催。イベント中には、特別体験メニューもあります。入場料は無料(但し、各体験は有料)。

交通 人吉球磨スマートICから車で5分

球磨川ラフティング

日本三急流の一つ球磨川をゴムボートで下るラフティング。1艇ずつ経験豊富なリバーガイドが乗船するので、初心者や泳げない人でも安全に楽しめます。コースは半日や1日など種類も豊富。詳しくは、球磨川ラフティング協会のHPへ。

交通 人吉ICから各事業所へ

人吉の年中行事

人吉球磨のひなまつり

2月〜3月
人吉市九日町及び人吉球磨地域一帯

人吉球磨地域の早春の訪れを告げる風物詩の一つ。人吉クラフトパーク石野公園をメイン会場とし、人吉球磨地域の様々な観光施設で様々なおひな様が飾られます。期間中は、各会場で趣向を凝らしたイベントの他に人吉温泉女将の会 さくら会による「おひな御膳」などのランチメニューも登場します。

人吉梅まつり

2月中旬〜2月下旬
人吉梅園

人吉市大畑麓町の人吉梅園は、約8ヘクタールの敷地内に、約4,600本の梅を誇る全国でも有数な梅園。梅は、700年続いた相良家の家紋で、今は「市の花」として親しまれています。2月初旬〜2月中旬にかけて、この丘陵は梅の花が一面に咲き誇ります。この期間開催される梅まつりでは、ステージでの郷土芸能の披露や地元特産品の展示販売を開催します。また、球磨焼酎・梅酒の販売もあり、郷土色豊かな田舎料理を味わうことができます。(ステージ催事はまつり期間中1日のみ)

人吉花火大会

8月15日
人吉城跡ふるさと歴史の広場

人吉城跡ふるさと歴史の広場を会場とし、人吉の夏の風物詩である「人吉花火大会」が行われ、毎年約3,000発~約5,000発の花火が夜空を彩ります。人吉花火大会は、打ち上げ場所と観覧場所が近く、頭上に上がる花火を間近に見ることができるため、迫力満点の花火を楽しめるのが特徴です。

おくんち祭

10月3日〜11日
青井阿蘇神社

平成20年6月に国宝指定された青井阿蘇神社の例大祭。この祭は、古来より誠にめでたいとされてきた陽の最高の数が重なる重陽の日(旧暦9月9日)に神様が御鎮座された縁日を祝う祭。祭期間中には、さまざまな催しがあり、3日には、火災がないように祈願する鎮火祭、8日は、国指定重要無形民俗文化財に指定された球磨神楽の奉納、メインとなる9日には、神幸行列が催されます。創建後約1200年の長い歴史の中で育まれてきた伝統文化やしきたりが大切に受け継がれている祭です。

人吉の工芸品

きじ馬

昔、平家の一門が一ノ谷、壇ノ浦の戦いに敗れ、安住の地を山間に求め、一部は九州の屋根と言われる五家荘や人吉の奥、木地屋・大塚等に居を定めたと言われています。平家落人たちは、過ぎし都での華やかな生活を思い返すすべもなく過ごしており、そのような鄙の暮らしを慰めるためきじ馬、花手箱、羽子板などの美しい木工品が生み出されました。その代表的なものであるきじ馬は、800年過ぎた現在でも生き続けています。赤・黄・緑の華やかな色彩が美しくお土産用のものから人が乗れる大きさのものまでサイズもさまざま。また現在では、きじ馬をモチーフにした、観光PRのマスコット「ヒットくん」も活躍中。

花手箱

当地方を代表する郷土玩具、きじ馬・花手箱・羽子板は、今からおよそ800年前に、平家の落人によってつくりはじめられたと言われており、人里はなれた淋しい山の中で、はるか都を思いながら、淋しさをまぎらわすためにつくりはじめられました。以来、後進によって引き継がれ、800年を経た今も、代表的郷土玩具として生き続けています。古くより人吉のえびす市等で売りに出され男の子にはきじ馬、女の子には花手箱・羽子板を土産にしたと言われています。これらの玩具は部屋のアクセサリーなどに多く使われていますが、花手箱は女性の小物入れなどとして今でも愛用されています。

人吉の味・ぐるめ

球磨焼酎

平成7年に産地の地理的保護を受け、 名実ともに世界の銘酒となった人吉球磨地方の代表的な特産品。 原料に良質の米だけを使用した本格焼酎で、伝統的な常圧蒸留製法のものは力強く 濃厚な芳香があり、昔ながらの焼酎ファンに根強い人気。近年新たに導入された 減圧(低温)蒸留製法のものは、さわやかな風味とまろやかな味わいで、 日頃清酒に慣れ親しんでいる人にも「飲みやすい」と好評。最近では、吟醸香を持つものや、さわやかさに磨きをかけ 透明感さえ感じられるものなど味わいのバリエーションも豊富。 飲み方はストレートやロック、お湯割りがポピュラーだが、 熱燗やカクテルのベースとしてもオススメ。

鮎の塩焼

日本三急流の一つで、 人吉市の象徴と言っても過言ではない球磨川に生育する良質の藻を食べて大きくなった球磨川産鮎は、一言でいえば“絶品”。 ひと口食すればその鮮烈な芳香が鼻腔をくすぐり、 ふた口食すれば、激しい急流を思わせる野性味溢れる歯ごたえが口腔内を駆け巡り、 み口食すれば、球磨川そのもののような懐の深い豊かな味わいが、 舌から食道にかけてじんわりと広がります。しっかりと焼く鮎の塩焼は、内臓まで丸ごと食べられます。

鮎うるか

「うるか」は、新鮮な鮎の内臓や卵を塩漬にしたもので、カボスや柚子酢、酒、みりんを加えて召し上がります。独特の苦味が特徴。日本三急流の一つ球磨川に生育する良質の藻を食べて大きく育った球磨川産の鮎から取れる、酒の肴として人気が高い「うるか」は、大量生産ではないため、地元の人でも簡単に手に入らないレア商品です。

猪料理

山に囲まれた人吉で獲れる猪を使った料理。塩焼きから味噌漬けや鍋などさまざまな料理が楽しめます。市内の旅館や食事処で食べることができます。

山菜

人吉を囲む山々で採れるわらびやぜんまい、たけのこは絶品。採れた山菜は、おこわや天ぷらなどにして食べます。毎年4月には、わらび狩りなども行われます。

交通
九州自動車道人吉IC、九州自動車道人吉球磨スマートIC
問い合わせ
人吉観光案内所
TEL:0966-22-2411 / FAX:0966-22-2411
URL: https://hitoyoshionsen.net/

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